赤いくつ、履いた君は

 現実を、目の前から一度ひっぺがして浮き上がらせる。現実が、べたっと一面現前に貼りついている状態ではなくて、むしろそれを引き剥がして不安定な状態にさらす。現実を「今ここ」に限定するのではなくて、複数多面的に起ち上げる可能性を嗅ぎとる。要するに、信じているものからいっぺん距離をとり、目線を引く。冷静になる。「見えているものをその背後から見る」。現実を自明なものにしない。

そういうのが、(内向的人間の)唯一の成長の仕方だと、僕は思っているんだけど。

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